はじめに
最近のWindows 11アップデートでは、AIアシスタント機能「Microsoft Copilot(コパイロット)」が標準搭載されるようになりました。
とても便利な機能ですが、ローカルアカウント(Microsoftアカウント未連携のアカウント)で使用しているパソコンでは、思わぬ不具合や業務への影響を引き起こすケースがあります。
今回は実際に発生した事例をもとに注意喚起としてご紹介します。
実際に発生したトラブル
Windows 11のパソコンを、いつものようにローカルアカウントで立ち上げたところ、
- Microsoftアカウントの設定要求画面が何度も繰り返し表示
- 設定 → アカウント → ユーザー情報 にて「Microsoftアカウントの自動停止」を選択
- すると逆にMicrosoftアカウントのメッセージが自動起動し続け、画面がチカチカ(フリッカー)して止まらない状態に
- Microsoftアカウントのログインや切り替えを実施しても、問題発生エラー表示
- セーフモードでは正常
- Windowsの再インストールを試みたが現象は改善せず
ほぼあきらめかけたところで、画面右下の通知領域を確認したところ、「Copilot」のアイコンを発見。
これを手動にて終了したところ、フリッカー現象が止まりました。
さらに、設定 → アプリ → スタートアップ から Copilot自動起動をOFFにしたことで、再起動後もフリッカーは再発せず安定稼働するようになりました。
なぜこうなるのか?
Copilotは本来 Microsoftアカウント連携を前提に設計されているようです。
しかし、ローカルアカウントでもCopilotの自動起動が有効になるケースがあります。
特に以下の条件下で発生するケースが報告されています。
- Windows 11 バージョン23H2以降
- 27インチ以上のディスプレイ搭載機
- Windows Update適用後
- ユーザーが初期設定時にCopilotをオンにした場合
対処法
もし同じような症状に遭遇した場合は以下の方法で対処できます。
- 画面右下の通知領域(システムトレイ)のオーバーフローウィンドウ(上向き矢印)を開きます。
- Copilotのアイコンがあれば、右クリックして「終了」をクリックします (その場のフリッカーが止まります)→ ただし この操作だけでは再起動すると元に戻ってしまうので注意が必要です。
- 続けて 、画面下中央の検索(虫眼鏡アイコン)をクリックして 「startup」と入力します。そこに表示された 「スタートアップアプリを開く」をクリックし、一覧の中に 「Copilot」ないしは「Microsoft 365 Copilot」があり、スイッチがオンになっていればOFFに切り替えます。 (これにより 次回起動時からCopilotが自動起動しなくなり、再発防止されます)
この手順でフリッカーが改善されたことを確認しています。ただし、これから「Microsoft Copilot」を使いたいということであれば、ローカルアカウントからMicrosoftアカウントに切り替える必要があるのではないでしょうか。
まとめ
Windows 11では、今後さらに多くのPCにCopilotが展開される予定です。
ローカルアカウントのPCではCopilotの動作に注意が必要です。
AIだから便利そうだとすぐにオンにせず、事前に検証・設定してから運用することが大切です。
Microsoftアカウントは便利なことは便利ですが、個人、中小企業、零細企業ではローカルアカウントで運用しているケースも多いのではないでしょうか。
このような事態が発生する可能性も踏まえて、設定変更時やアップデート時には十分注意しましょう。
おわりに
今回の経験から、中小企業・個人事業主や個人の方にもCopilotの自動起動には注意が必要と感じました。
今回の情報は、もう既にご存じの方も多いとは思いますが、それでも、同様のトラブルでお困りの方の参考になれば幸いです。